登山ウェア帽子

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登山道具で帽子選びほど楽しいものはない。

 帽子の種類は本当に多い。そもそも「帽子屋」というのが今でもしっかり成り立っているのだから、帽子というものの種類やデザインの多さは推して知るべしである。

 登山用の帽子に限っても、夏の麦藁帽子から冬のスキー帽、さらには高所帽と目的に合わせて様々なタイプの帽子が店には並んでいる。
 しかも色は原色を使ったものからパステル調のものまで取り揃えられているので、見る目を楽しませてくれる。
 気に入ったものを見つけたときに衝動買いしても、それほど高価なものでもないので、あまり後悔しないですむかもしれない。かといって帽子選びをあまりいいかげんにすると、山で思わぬ苦労をすることになるから気をつけたい。 

 なかには帽子をかぶらないツワモノもいる。帽子をうっとうしく感じる人もいるようだが、これは慣れの問題だろう。ヘルメットをかぶらないでバイクを乗り回すオニーチャンたちを見ると、「あぶないなぁー」と感じるが、帽子をかぶらない登山者もまた彼ら同様の危険を冒しているといっても大げさではない。

 
帽子は暑さや寒さから、また万が一転んだときに大事な頭を守るために大切な登山用具だ。山に入ったら、帽子はかぶる癖をつけよう。
 なれればかえって帽子なしでは不安な感じがするようになるし、使い込んでよれよれになった帽子には愛着も生まれることだろう。 それゆえ帽子選びは楽しみながらも慎重でありたいものだ。

 さて、あなたはどんな帽子がお好みですか?


麦わら帽子

 夏にかぶる帽子といえばなんといっても麦わら帽子だ。

 子供がまだ幼い頃、外に連れ出すときはいつもかわいいリボンのついた麦藁帽子と決めていた(男の子だが)。

 
暑い日ざしをさえぎり、顔を日焼けから守り、しかも蒸れにくい麦藁帽子は夏には最適の帽子である。ただし低山ハイキングなどでは利用価値もあるが、一般的には麦わら帽子は登山帽とはなりにくい。いくら夏山でも麦藁帽子は山では無用の長物となることが多いのだ。
 
 理由は
風によわいことだ。2000mから3000mの山になれば、天気のよいときでも稜線などではかなり強い風が吹く。麦わら帽子のようにツバの大きな帽子は風の抵抗が大きく、たとえあごひもをつけていても簡単に飛ばされてしまうかもしれない。

 また雨が降ってきたときに雨具を着てフードをしたときのことを考えてみよう。
 ツバが大きすぎるため、フードがキチンとアタマを覆うことができないため、
かえって頭を濡らす結果になりかねない。それに頭がすごく窮屈になることだろう。だからたとえ夏山しか登らないのであっても、登山用として麦わら帽子を選ぶのは懸命ではない。ただし風の強いときはリュックサックにぶら下げて、他の帽子をかぶるというのであればそれはそれで構わないが、敢て勧めるつもりはない。

 うっかり麦藁帽子を買ってしまったら、捨てるのはもったいないのでとっておこう。
 いつかあなたが
家庭菜園をはじめたときに、必ず重宝するはずだから。
「えっ? 家庭菜園なんてやらないよ」ですって?
ほんとうに? でも楽しいよ。それに食糧危機なんて絶対にこないって信じられる?


チロリアンハット

 チロリアン・ハットはその名の通り、
チロル地方でかぶられている帽子の形だ。

 今でもチロル地方では年配の男の人たちがよくこの帽子をかぶっているのを見かける。チロルのみならず、他のオーストリアの地域やドイツでもミュンヘンなどアルプスに近い地域ではたまに年配の男性がチロリアン・ハットをかぶっているのをみかけることがある。ただしアルプスの山ではもはや登山用としてチロリアン・ハットを目にすることはないかもしれない。

 ヨーロッパ・アルプスの地域でもこの帽子ももはや登山用というよりは、日常生活用品の部類に入れられてしまってもしかたがないように感じる。

 私が山登りを本格的に始めた高校時代(今から30年以上前のことになるが)、その頃はまだチロリアン・ハットは十分に登山帽として現役の地位にいた。山岳部員は大概チロリアン・ハットをかぶっていた。高校山岳部で山に登ったときの写真を引っ張り出せば、
はずかしくなるほどほとんどの部員がチロリアン・ハットをかぶっているではないか。

 私の父もいつもチロリアン・ハットをかぶって山登りを楽しんでいたように記憶している。

 いつしかチロリアン・ハットは姿を消してしまった。帽子そのものは決して悪くはないのだが、今チロリアン・ハットをかぶって山に登ろうとは私自身思わない。

 理由は生地が厚手のため、日本のような
湿気の多いところでは一度濡れると乾きにくく、不快になることがあるからだ。それにかさばるのでリュックの雨蓋に簡単にしまうことができない(本当のチロリアン・ハット)。型くずれさせたくないのでリュックに無理やり押し込むようなこともしたくない。

 とりわけ都会から山に向かう人たちにとっては、収納に困ってしまうはずだ。いくらリュックサックを背負い、山に行くんだぞという格好をしていても、新宿あたりでチロリアン・ハットをかぶっているとちょっと目立ってしまうように思う。
 「粋じゃないか」と思ってくれる人もいるかもしれないが、「粋」にまとめるためには、靴はチロリアン・ブーツでなければならないし、ズボンは絶対にニッカーボッカーズにしなければいけない。
 
スニーカー履きにジャージでチロリアン・ハットでは「粋」どころか逆に感性が疑われてしまう。「粋」にまとめられればそれはそれでなかなか素敵だが、少なくとも初心者には大きな冒険だろう。

 山登りでもスキーでも自転車でも、初心者というのはだいたい身のこなしで分かるものだ。初心者が身なりだけはプロのような格好をしていたら、やはりちょっと違和感があるし、本人もなんとなく照れ臭いのではないだろうかと思う。

 今でもチロリアン・ハットを愛用している人は確かにいる。3000mクラスの山ならば、信頼感は抜群だろう。帽子にいろんな山小屋のバッジを付けて歩いている人もいるし、そういう趣味をお持ちの方にはお勧めできるが、その場合にも素材はウールに限る。
間違っても木綿のコーデュロイなんかを買ってはいけない。雨に濡れてしまったら厄介極まり無いことは保証する。
ただしフェルトのチロリアン・ハットは仮に店で見つけることができたとしても、決して安くはないのでそのおつもりで!


ハット、キャップ

 現在もっとも一般的になったのが、
ひさし付きのハットだ。素材は木綿からゴア・テックスまで様々。色も豊富で老若男女問わず広く使われるようになった。今や登山帽の定番アイテムと言っていいだろう。

 若い人には
野球帽のようなキャップも人気がある。ひさしが大きいので顔を日焼けから守るのには比較的適しているが、その一方前方からの風には弱く、強風の中帽子を飛ばされないように苦労している人を見かけることもある。

 こんなときこそもっと知恵を働かせよう。帽子の上から手ぬぐいを被せ、両端をあごの下で結んでおけばよい。これなら帽子が風で飛ばされる心配はない。手ぬぐいじゃぁ「格好が悪い」というなら
大きめのバンダナなどを用意すればよいだろう。結構ファッショナブルにきめられるかもしれない。

 帽子が飛ばされないように、服の襟と帽子とを留め具でつないでおくヒモが売られているが、これはあまり意味がない。帽子がどこかへ飛んでいってしまうのは防げるかもしれないが、風で帽子が頭からはぎ取られることは防ぎようがない。役に立たない小物に凝るより、バンダナなどいろんな使い道のあるものを有効的に使う知恵を持ちたいものだ。

 野球帽タイプのキャップは顔を日焼けさせたくない人や、目が紫外線に弱い人などにはある程度役に立つかもしれないが、
実は夏山で一番困るのがクビの後ろ側の日焼けだ。
 重いリュックを背負い山を歩くとき、人は慎重に足下を見ながら下を向いたまま歩くことになる。だから意外と顔は日焼けしないものだ。そのかわり首筋がひどい日焼けになる。

 これを防ぐには、つばが後ろ側に大きくついた帽子の方がいいということになる。実際そのようなデザインの帽子もあるが、今度は上を見上げたときなどつばが背中に当たって邪魔になりそうな気がするし、フードを被ったときにもその大きなつばが邪魔になりそうに感じる。こういうときもまずカタログを調べるのではなくて、どうしたらいいか自分で考えてみよう。
バンダナが一枚あればだいたい事は足りる。

 
クビから背中にかけてバンダナを垂らすように頭に被り、その上から帽子を被ればよい。これで十分なはずだ。おまけに首筋の血をねらって忍び寄る吸血鬼どもから、白いうなじを守ることができるだろう。

 そうそう、吸血鬼(もちろん蚊のことだが)対策は山では重要だ。
山の蚊は下界の蚊よりも数段強力だ。学生時代に北海道大雪連峰を縦走したことがあるが、このときはほとんど「蚊恐怖症」に陥ってしまった。
 大雪の蚊どもときたら、すごく強烈なやつらだ。なんたって用足ししている間に人の股間に忍び寄り、大事なところに有り難くないくちづけをしてくれるのだ。歩き出して「なんか痒いな」と思い、パンツの中に手を入れたら、なんと真っ赤につぶれた蚊が手に張り付いてきたではないか! 
 イヤァン、モォ・・・!

 蚊は柔らかい肌を好むようで、まぶたがまたよく狙われる。これまた腫れ方がハンパじゃない。大雪の蚊に刺されたときは完全にまぶたが開かなくなり、まったくの片目状態で丸一日歩かなければならなかった。さぞかしオイワさんのようなひどい顔になっているだろうと思い、人とすれ違いたくないと思っていたら、来た来た! 向こうから三人パーティーだ。でもお互い近づくにつれて顔が笑い顔になっていった。

 
「あなたもですかぁ?」「あなたもですね!」

と言い合い、そして声をあげて笑った。その三人パーティーのうち二人までが、同じようにまぶたを蚊に刺され、オイワさんのような顔になっていたのだった。こうなるとまるで仮装行列である。暗くなってから出会いたくはないものだ。

 蚊を好きな人はいない。とくに女性は「顔など刺されてなるものか!」と
虫よけスプレーを手にたっぷり取り、それを顔に塗りたくっている人が多い。 

 しかし個人差はあるとは思うが、自分の経験から言うとあまり効果は期待できない。
 だいたい蚊がぶんぶん飛び回っているような暑い場所では、
汗が薬を流してしまうし、血に飢えた蚊どもの執念は薬の忌避効果に勝っている場合が多い。
 それにいったいどんな薬品が使われているのか、知れたものではない。美容と健康のためにも防虫スプレーの使用は控えたほうがよさそうだ。

 私は
防虫ネットを使用している。細かい網の布地が筒状に縫われており、その筒の両端にはゴム紐が通されている。両端がゴム紐でしぼられるため、ちょうど提灯のような格好になる。

 これをツバのある帽子の上からすっぽりと被るのである。
帽子にはツバがあることが重要である。

 ネットが顔に密着することをツバが防ぎ、蚊の攻撃から顔を守ることができる。ネットの下の方はシャツの胸ボタンに固定してもよいが、なるべく服の内側にネットをしまい込んだほうが良いようだ。
 蚊はわずかなすき間を見つけて侵入してくる。気が付いたら、ネットの内側に蚊が張り付いていて、足をこすりながら血を吸う準備に取りかかっている姿を目の前にするのは、精神上よろしくない。

 
防虫ネットに忌避剤をスプレーしたらよかろうと考える人もいるだろうが、これもやめたほうがいい。呼吸するたびに薬を吸い込むことなど、考えただけでも怖くなる。防虫スプレーを噴霧したネットを被ったまま歩き続けられるなら、あなたは蚊よりも鈍感な人だ。あなたは自然児に成るべく山へ向かうはず。虫除けも別の方法で対処するよう知恵を働かせるべきだ。
 
薬にたよることはやめよう。

 それほどまでに蚊が気になってしかたないなら、いっそ山へなど出かけず家で寝ているほうが健康にはよいだろう。


冬用の帽子

 冬用の帽子といえば毛糸で編んだ帽子を誰しもが思い浮かべるだろう。
スキー帽が代表選手だ。私は毛糸(ウール)の帽子が大好きだ。最近はフリースの帽子も多くなったが、肌触りや色合い、耐久性など毛糸の持つ魅力は捨てがたい。

 ただし毛糸はかぶっているとオデコが痒くなってくるという人が多い。特に肌が敏感な人にとっては、ポリプロピレンやポリエステルのフリースの方がいいかもしれない。ウールのような深みのある色合いは期待できないが、逆に派手な色彩を楽しむことはできる。

 帽子を選ぶときは、
必ず耳が完全に覆えるものを選ぶべきである。最近スキー場では野球帽タイプのキャップをかぶりスキーをしている人をよく見かける。さぞかし耳は冷たいだろうと要らぬ心配をしてしまうが、本人はきっとファッションの方が大事なのだろう。なにも無理をして寒さ冷たさに耐えることもなかろうに、と思ってしまうのだが・・・。

 そういえば、昔の岳人は結構山登りに対してエキセントリックなまでの人がいたようだ。ある本で読んだのだが、山登りを自己の身心鍛練の場ととらえ、凍てつく寒気の中でも帽子をかぶらずに歩き続け、しまいには耳を凍傷にしても、まだ平気を装っているような岳人もいたようだ。

 確かに必要以上に身を守ろうとするのでは、自然との対話は希薄になってしまうし、身体も鍛えられない。特により高処を目差すひとならば、自分を甘やかすことはしてはいけないが、凍傷になってもなお帽子もかぶらず手袋もしないとなったら、これは一種の精神障害といっても過言ではないのではないだろうか。

 
一度凍傷にかかってしまうと、その部分は寒さに対して強くなるどころか、かえって弱くなってしまうことがある。最悪の場合、機能障害を引き起こすこともあるので、無茶はやめるべきだと思う。
 もっともスキー場のオネーチャンやオニーチャンたちが、精神修養のために野球帽タイプのスキーキャップをかぶっているとは思わないけどね。

 もしあなたが本気で極限の登山や極地探検を目差しているとしても、非科学的な精神論で身を鍛えようとするのはあまりに愚かだ。あなたがどんなに頑張ったところで、もはや野生動物になることはできないのだから。

 
人間は人間の方法で自然と向き合うしかないのだ。私だって冬山に向かうときには、自分の身体がカモシカのような毛皮に覆われたらどれほど楽だろうとつい考えてしまうけど、もし自分がカモシカの体を持ったとしたら、いったい冬山に向かう意味がそのときにあるのだろうか、って考えてしまうよ。

 話がちょっとそれてしまった。もう少し冬用の帽子について語らせてほしい。

 冬山用の登山帽には「
高所帽」と呼ばれる帽子もある。表生地はナイロンやゴア・テックスでできており、防風性に優れている。裏生地はだいたい薄手のフリースが使われているようだ。
 私も持っているが、
まず使用することはほとんどない。日本の山なら、たとえ北アルプスに登るとしても、高所帽は必要ではない。毛糸の帽子とジャケットに付いているフードで十分である。
 ただし毛糸の帽子をかぶり、その上からフードをかぶると、クビを回すときにフードが視界を遮ることがある。山スキーをするときなどは、できるだけ視界が良好であることが望まれる。そのようなときにはジャケットのフードを使わず、高所帽を用いるという手もある。ただ必要かどうかということになれば、「あえて必要ではない」とお答えしておこう。


ヘルメット

 ヘルメットを帽子の仲間に入れてしまうことには抵抗のある人の方が多いと思う。ヘルメットは登攀道具であって、帽子とはちょっと違うと思われているのではないだろうか。でも帽子とは頭を守るためのものと広く解釈すれば、ヘルメットを帽子の仲間に入れてやってもよいのではないだろうか。

 私は最近ではもうさっぱり岩登りはしなくなったが、まだヘルメットを使用することはある。どのようなときかと言えば、それは
春山でスキーを楽しむ時だ。朝、陽が昇り気温が上昇するにつれ、岩肌などに凍り付いていた小石が時折落石となってこちらに向かってくることがある。小石と言えども侮れない。雪面をピョーンピョーンと跳ねながら飛んでくる石を視界がとらえたときはとても緊張する。

 時折体をかすめて飛んでゆく小石もあるが、その石の風を切る音はすさまじいものである。「ブゥゥーン」と吼えながらすっ飛んでゆく小石の餌食にだけはなりたくないと思う。こんな石に当たったら、たとえヘルメットをしていても多分助からないだろうとは思うのだが、
もしかしたら死ぬことだけはまぬがれるかもしれないと思いながら、私はヘルメットをかぶるようにしている。

 それに、もしスキーで転んだときに、運悪く雪の上に突き出た岩に頭を打ち付けないとも限らない。少しでも不安要因を小さくすることはとても大事なことだ。

 私の使用しているヘルメットは
ケブラーという強力な合成繊維を使用したものだ。重さはわずかに350g程度しかないが、強度の点では他にかなうものがないほどに強い。

 これを購入した当時、値段は普通のヘルメットの数倍もしたが、今になってこのヘルメットを買っておいて良かったと思っている。今ではこのヘルメットを登山用品店で見つけることはできないだろう。値段が高すぎてあまり売れなかったのだろうと思う。売り出されてからじきに店頭から姿を消してしまった。モンベルさん、残念だったね・・・。

 でもこのヘルメットは実に利用価値がある。非常に軽いために持ち歩くのに苦にならないし、強度的に信頼がおけるので山スキーにはもってこいなのだ。そして春山におけるとても具合の良い帽子がわりにもなるのだ。なぜ?    ・・・それはこのヘルメットは
完全防水の帽子の役目もはたしてくれるからだ。

 春山では時折降水に見舞われる。このようなとき通気孔のないヘルメットは完全に雨から頭を守ってくれる。しかもヘルメットはその構造上蒸れにくくなっている。横殴りの雨ではフードを出さざるを得ないが、シトシト雨ぐらいなら、ヘルメットの利用価値はとても大きい。

 もちろんヘルメットを防水の帽子として勧めようというのではない。防水の帽子にもなるのだから、春山のスキーにはもっと利用されてもいいのではないかとご提案申し上げたいだけである。間違ってもハイキングにヘルメットなど持ち歩かないように!

 いやいや、もしかしたらハイキングでも利用価値があるかも。例えば小物入れとして木にぶら下げておくとか、食器替りにするとか、あるいは鳥や魚を捕獲するための道具に使うとか・・・。



総括

 初心者は店にならぶ派手ハデしい帽子はなんだか恥ずかしく感じ、比較的地味な色形のものを選びがちであるが、
初心者ほどハデな帽子を選んだほうがいい。

 理由は仲間とはぐれたときに、仲間から見つけてもらいやすいことと、目に入るものすべてが緑の中に居ると、かえって精神的に不安定になる場合も考えられるからだ。そんなとき帽子を脱いで派手な色や模様を眺めていると、かえって心が落ち着く場合もある。

 
どんなハデな格好をしていても、誰にも文句を言われないし、日常生活から精神的に開放されるためにもちょっと派手かなと思うくらいが山では適当である。

 私などはちょっと度が過ぎているようであるが、街中では躊躇するようなものを身に付ける自由を味わえることも山のぼりの楽しさの一つであると思っている。